豆腐と納豆、あおさの味噌汁、アーモンド、玄米ごはんが並ぶ食卓の水彩イラスト

夜中に、ふくらはぎがつって目が覚める。
気づくと、まぶたがピクピクしている。

どちらも、しばらくすれば治まります。
なので、そのままにしている方も多いと思います。

講座では、こういうとき…
まずマグネシウムを見直してみてください、とお伝えしています。

今日は、その理由の話です。

マグネシウムは、筋肉をゆるめる側

筋肉は、縮んだりゆるんだりして動いています。

縮めるときに働くのが、カルシウム。
ゆるめるときに働くのが、マグネシウム。

この2つが、シーソーのように釣り合っています。

マグネシウムが足りないと、どうなるか。
縮める側が勝ってしまう。

筋肉がゆるみきらず、
勝手に縮んだり、ピクピク震えたりしやすくなります。

足がつる。
まぶたがピクピクする。
肩がこる。
締めつけられるように頭が痛い。

どれも「締まりすぎ」の側の症状です。

マグネシウムがはっきり足りなくなると、筋肉のけいれんが起きやすくなります。
ここは、医学の教科書にも書かれていることです。

筋肉の図:カルシウムで縮む、マグネシウムでゆるむ、マグネシウムが足りないと縮んだまま

筋肉だけの話ではない

マグネシウムは、体の中で300種類以上の酵素の働きを助けています。

酵素(体の中で化学反応を進める道具)は、たくさんの仕事をしています。
その多くに、マグネシウムが関わっています。

例えると…
大工さんにとっての、金づちのようなもの。
つねに手元にあって、無いと仕事が止まります。

とくに大きく関わっているのが、エネルギーを作る仕事です。
マグネシウムが足りないと、疲れやすくなります。

気持ちの面にも関わっていて、不安や落ち込みとのつながりも言われています。

まぶたのピクピクは、目のまわりだけのことに思えますよね。

でも、それがマグネシウム不足から来ているとしたら…
影響は、まぶただけでは済んでいないかもしれません。

まぶたがピクピクしているころには、
エネルギーを作る力が、もう落ちているかもしれない。
気持ちの面にも、不調が出始めているかもしれない。

自分では、まだ気づいていないだけで。

なぜ、足りなくなるのか

マグネシウムの1日の推奨量は、
女性で290mg、
男性で370〜380mg(30〜64歳)です。

でも、実際に日本人が摂っている量は、平均で247mgほどだそうです。
推奨量には届いていませんね。

理由は、いくつかあります。

精製すると、抜けてしまう

マグネシウムは、穀物の外側の部分に多く入っています。

ごはん茶碗1杯(150g)で比べると、
玄米ごはんは約74mg、
白米ごはんは約11mg。

精白した結果、7分の1ほどになります。
食べる量は同じでも、マグネシウムはずいぶん少なくなります。

加工食品でも、同じことが起きています。

マグネシウムには苦味があるため、味をととのえる途中で抜かれてしまうことがある。
以前の記事で、国会でのやりとりを紹介したとおりです。

出ていく量が増える

ストレスが強いときは、マグネシウムが減りやすいと考えられています。
体の中で使われる量が増え、尿からも出ていきやすくなるためです。

がんばり屋さんほど、マグネシウムをたくさん使っています。

また、お酒をよく飲む方も、腎臓から出ていく量が増えます。

がんばって働いて、帰ってきてから晩酌して…
そんな毎日の中で、気づけばマグネシウムが足りなくなっていた。
そういうことは、めずらしくないと思います。

食事で、どう摂るか

まずは、食べ物からいただきましょう。

  • あおさ(乾燥5g)… 160mg
  • 木綿豆腐(にがり 100g)… 76mg
  • あおのり(5g)… 70mg
  • アーモンド(20g)… 58mg
  • 納豆(1パック50g)… 50mg
  • あさり(50g)… 46mg

海藻、大豆、ナッツ、貝。
このあたりが、マグネシウムの多い食べ物です。

あおさを味噌汁に5g入れるだけで、160mg。
1日の推奨量の、4〜5割にあたります。

豆腐は、豆乳に「凝固剤」を加えて固めて作ります。
よく使われるのは、にがり(塩化マグネシウム)と、すまし粉(硫酸カルシウム)です。

どちらで固めたかで、マグネシウムの量が変わります。

木綿豆腐100gで比べると、
にがりで固めたものは76mg、
すまし粉で固めたものは34mg。

倍以上の差があります。

買うときは、原材料に「にがり」か「塩化マグネシウム」と書いてあるものを選ぶと良いですね。
「凝固剤」とだけ書かれていて、どちらか分からないものもあります。

それから、ごはん。
白米に雑穀や玄米を混ぜて炊くと、毎食少しずつ積み上がります。

ナッツは、おやつに単独で食べるより、
サラダに散らすなど、食事と一緒のほうがお腹にやさしいです。

たとえば、1日をこう組み立てると…

朝:納豆1パックとあおさの味噌汁。
日中:アーモンドをひとつかみ。
夜:豆腐の小鉢。

これだけで、およそ340mg。
女性の推奨量なら、これで届きます。

一度にたくさん摂るより、毎日コツコツ。
ミネラルは、そのほうが体に入りやすいものです。

サプリを使うときは

食事で足りない分を、サプリで足す方法もあります。
液体(にがりなど)や錠剤など、いろいろなタイプがあります。

気をつけたいのは、お腹がゆるくなること。

マグネシウムは、吸収されずに腸に残ると、浸透圧で腸に水を引き込みます。
浸透圧とは、濃いほうへ水が引き寄せられる力のこと。
そのため、便が水っぽくなるのです。

便秘薬の「酸化マグネシウム」は、この働きを使ったものですね。

なので、摂取量は下痢をしない量までにします。
毎日下痢をしていたら、
摂った栄養まで捨ててしまうことになり、元も子もありません。

食べ物からのマグネシウムには、上限はありません。
ですが、サプリなど食品以外から摂る分は、大人で1日350mgまでが目安とされています。

ただし、腎臓の働きが落ちている方は、マグネシウムが体にたまりやすくなります。
サプリを始める前に、主治医に相談してください。

こんなときは、受診を

  • こむら返りが毎晩のように続く、昼間もつる
  • 足のしびれや、力が入りにくい感じがある
  • まぶたのピクピクが2〜3週間以上続く
  • まぶたが閉じてしまう、頬や口元までピクつく

こういうときは、別の原因が隠れていることがあります。
医療機関で相談してください。

今日からちょい足ししてみましょう

味噌汁に、あおさをひとつまみ。
ごはんに、雑穀をひとさじ。

足がつった夜の翌朝は…
このあたりから始めてみるのもいいと思います。